「同じ空の下で…」
「……脆い癖に、強がる口。」

そう言うと、瞬は私の唇に小鳥みたいなキスをした。

「……うーん…、そうゆう子供みたいな発想。」


私は瞬のおでこに軽く触れるか触れないかのキスをする。


「可愛い…奥二重の…目♪」

優しさに溢れた顔で柔らかく私に微笑みかける。

「…包み込んで…安心感をくれる…腕…胸…」

私は彼の腕を自分に絡めて、胸に顔をうずめた。

「…控えめについた、ちっちゃな鼻…」

右の人差し指で私のコンプレックスの小さな鼻をチョンと触る、瞬。

「おっきな、目…」

そう言って、彼の瞳を見上げると、また、彼の姿がどんどん涙でぼやけていくのに気付く。

「……ごめ……、やっぱ無理だ………」

瞬の腕をすり抜け、その場にうずくまると、私は顔を隠すようにして、泣いた。

側で何も言わず、暫く私の頭を撫でていた瞬は、そっと器用に私を抱きしめた。


「…泣くななんて、言わない。…思う存分泣いて…。」

その言葉に素直に甘え、私はまた恥ずかしがる事すら忘れ、子供みたいに、泣きじゃくる。

「…瞬、ほんと……ゴメン…。だけど……」

「……だけど?」

「………離れたくないよ。ずっと一緒に居たいんだって……」


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