甘過ぎる彼氏
悲劇

柚希side



藍那がこの学園に来て

もう1週間が経つ。

藍那は未だに何も

アクションを起こさない。

何を考えているんだ?

逆に怖い。

藍那が何かするのを防いで

由依華を守らなければ。



「昇…

藍那、変な行動とかしてるの

見なかったか?」



「いや、何も見てない。

なんかこえーよな。

今、嵐の前の静けさって言葉

ぴったりじゃね?」



「たしかに。

てか、よく知ってたな。」



「柚希、俺をバカにし過ぎだろ。
まぁ、由依華になにも影響なければ

俺は何でもいんだけどな。」



ニコリと笑いながら言う昇は

重度のシスコンだと俺は思う。

いや、重度のどころじゃないか。

異常なほどって感じだな。



「なぁところでさ、

藍那の両親は

きちんと藍那に説明して

止めたんだっけ?」



「いや、説明はしたと思うが

止めていないはずだ。」


「は?

なんでだよ。

普通そこは親として止める

べきじゃねぇか?」



「止めたところであのわが道が

正しいと信じこみそれを

突っ切って行く藍那が止まると

思うか?

逆にヒートアップするだろ?」



「あぁ…

そういえば藍那ってそんな

性格だったな…

だからか…」



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