この恋は、絶対に秘密!
すぐさま上体を起こすけれど、岬さんはもうドアノブに手を掛けていて。


「……おやすみ」


と優しい声だけを残して、静かに部屋を出ていったのだった。




急に広く冷たく感じる部屋の中で、額に手を触れてまだ残る唇の感覚を確かめる。


何でキスなんてするの……

据え膳を食わなかった、せめてものお詫びのつもり?



「よくわからないよー……」



悩ましげに触れてきたり、かと思えば突き放したり。

やっぱり大人で複雑な岬さんの心情は、未熟な私には理解しがたい。


色々ありすぎてどっと疲れが押し寄せた私は、悶々とした気持ちのまま再びベッドに倒れ込んだ。



絵瑠としての長いようで短い夜が終わろうとしている。


──でも、この胸の鼓動と恋心の熱はしばらく止みそうにない。








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