この恋は、絶対に秘密!
それを修復する色褪せたセロテープの跡が、とても物悲しく、痛々しく思える。


故意に破かなければ、こんな破れ方はしないだろう。

じゃあ、一体誰が?


岬さんがこんなことをするとも思えないし、第一その写真を今も持っているのは不自然だ。となると……



「やっぱり優海さん……?」



『悪いのは全部俺なんだ』
という岬さんの言葉を思い出す。

二人の間に、何があったのだろう……。



──ガチャガチャッ。


「っ──!」


その時、玄関の鍵が開く音がして私はビクッと肩をすくめた。


岬さん、帰ってきたんだ……!

急いで元の場所に写真を戻し玄関の方へ向かうと、ドアが開いてワイシャツにネクタイを締めた姿のままの彼が現れた。


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