この恋は、絶対に秘密!
背の高い岬さんは楽々と折りを取るけれど、彼も何故かその場を動こうとしない。

ドキドキと早鐘を打つ胸が苦しくて、呼吸をするのもやっとなくらいだ。



「あのさ……」



岬さんの躊躇いがちな声が頭上から響き、ぴくりと肩を上げたその時。

ガチャッと音がしたかと思うと、倉庫のドアが開いて作業服姿の男性社員が現れた。



「あ、お疲れ様っす」

「……お疲れ」



どうやら食材を取りに来たらしい男性社員は岬さんと挨拶を交わし、私も軽く頭を下げた。



「……この折りはちょっと大きいか」



岬さんは私から離れ、独り言のように呟いた。

一気に緊張が解れていき、私もなんとか平常心を取り戻しながら適当な言葉を探す。


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