この恋は、絶対に秘密!
岬さんだ。
珍しく来週の金曜日に“休”の文字が書かれている。
「岬課長も平日休み取ってるんですね……何でだろう」
理由が気になってなんとなくそう言うと、安藤さんはパソコンのキーを打つ手を止めて「あぁ、課長ね……」と声のトーンを落とす。
「和久井さんなら口が堅そうだしいいかしら」
「え?」
「他の人には言っちゃダメよ」と念を押す安藤さんに、私はごくりと息を呑んで頷いた。
安藤さんは私に顔を近付け、声を潜めて話し出す。
「岬課長、毎年この日は休みを取ってるのよ」
「え……毎年?」
「4年前からずっとね」
──4年前? それって……
「課長の奥さんの命日だから」
珍しく来週の金曜日に“休”の文字が書かれている。
「岬課長も平日休み取ってるんですね……何でだろう」
理由が気になってなんとなくそう言うと、安藤さんはパソコンのキーを打つ手を止めて「あぁ、課長ね……」と声のトーンを落とす。
「和久井さんなら口が堅そうだしいいかしら」
「え?」
「他の人には言っちゃダメよ」と念を押す安藤さんに、私はごくりと息を呑んで頷いた。
安藤さんは私に顔を近付け、声を潜めて話し出す。
「岬課長、毎年この日は休みを取ってるのよ」
「え……毎年?」
「4年前からずっとね」
──4年前? それって……
「課長の奥さんの命日だから」