この恋は、絶対に秘密!
芸能人ですか……?

と言いたくなるようなその容姿にまず釘付けになり、次いで彼の第一声にはっとした。


今の私は思いっきり“就活中です!”と言っているような姿で、しかも時間を間違えたことはバレバレだ。


これまでエスカレーター式で進級してきた私にとっては初めての試験でそれなりに緊張しているし、私はかなり挙動不審になっていたと思う。



「…は、はい、そうです!あの、にににゅにゅ入社試験を受けに…!」

「ぶっ」



上手く呂律が回らない私に、彼は吹き出した。

整った顔が一瞬クシャッとなって笑う姿に、私は目をぱちくりさせる。



「そんなにカチカチになってたら面接で本領発揮出来ないぞ?」

「あ……」



たしかに。

私は恥ずかしくなって、かぁっと耳まで熱くなるのを感じた。


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