この恋は、絶対に秘密!
予想外の展開に衝撃を受け、胸がドクドクと波打ち始める。



「“未来くん”って……シェフの日詰未来ですか?」

「そうそう!瀬奈にお料理を教えてくれてるの。彼とうまくいってくれたらいいなぁと思ってたから、もう嬉しくて!」



それで仲が良かったわけか……。

納得すると同時に激しい焦燥感が沸き上がる。



「今日も彼に会いに行くって出て行ったから、さっそくデートかなと思って♪」

「どこに行ったんですか?」



間髪入れずに問い掛けると、彼女は目を丸くしながらも「未来くんのレストランの新店よ」と、場所を教えてくれた。



「すみません、ありがとうございました」

「あ、お茶でも飲んでいかれたら……!」

「……また今度いただきます」



忙しく踵を返す俺に声を掛けてくれた彼女に笑みを返し、もう一度お礼を言って車へと向かった。



……君は彼のモノになってしまうのか?

もう一度、俺と会って話をしてくれないか。


──君が欲しいんだ。








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