この恋は、絶対に秘密!


──段々と寒さを感じ始めた10月の終わり、私はまた月末の業務に追われて残業中だ。



「和久井さん、ごめんね!今日ちょっと用事があるからお先に失礼するけど」

「いえ、お疲れ様でした。書類まとめたらデスクに置いておきますから」

「うん、よろしく!」



忙しく帰り支度をする安藤さんに、笑顔で挨拶をした。

一人、また一人と事務所から去っていく姿を見ると、私も早く帰りたくなる。


……が、今日は特別だった。

だって英司さんも残業中だから。



わざとゆっくりめに仕事をしながら、皆早く帰ってくれないだろうかと祈る私はかなり不真面目だ。

でもすでにタイムカードは押してあるから、少しくらい居残っていても問題ないはず。


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