この恋は、絶対に秘密!
「これからどうしよう……」



途方に暮れた情けない声が、夏の夜の空気にゆるりと溶け込んでいく。


立ち止まると一気に汗が吹き出してくるし、とにかく涼みたい。

角を曲がってすぐの所にある、煌々と光りを放つコンビニが恋しくなってきた。



どうしよう……
少し涼むだけならきっと見付からないわよね?


ゆっくりコンビニに近付き、駐車場と通り過ぎる車をキョロキョロと見回す。

お父さん達が来ないことを確認して、今のうちにササッと入ろう!


……と、走り出したその瞬間。



「痛ッ~~~!!」



踵と足の小指の骨の辺りにズキンと痛みが走った。


この痛さは間違いなく靴擦れ…

真新しいヒールであんなに走ったからだ。


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