ラブソングを君に
2部合唱の練習をしていると、遠慮なしにドアが開いた。

一斉にみなの視線がドアに集中した。



「こんにちは。すみません、ティンパニの調節していいっすか?」

「あっ…どうぞ~!」

部長がちょっと顔を赤く(+声を数トーン高く)して、その侵入者に声をかけた。


入ってきたのは吹奏楽部に所属している見慣れた顔。

幼馴染&腐れ縁の音弥だった。


こちらに見向きもせずティンパニに駆け寄る音弥を凝視しながら、

私は低い声でつぶやいた。

「許すまじ、吹奏楽部…!」

合唱部が2時間しか練習ができない理由。それは、

吹奏楽部が音楽室を占領するからだ。


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