その恋、取扱い注意!
「ねえ? 美海ちゃん? 教えてよ」

「……」

「そっか。もう帰りたいんだね。いいよ。帰してあげる」

えっ?

「もういいよ。もう美海ちゃんを諦める」

「本当に?」

それが本当なら、憑き物が落ちたような気持ちになる。

「僕も結婚を控えているからね。結婚前に少し遊びたかったのかもしれない」

「彼女を大事にしてあげて下さい」

「ああ。そうするよ」

この時、突然物わかりの良くなった高野先輩に、別の意図があったなんて気付けなかった。
閉店までいそうな雰囲気に辟易していたところへ、突然帰っていいと言われ嬉しかったせいだ。

レジで支払った高野先輩は、そっけないほどの距離でファミレスを出て階段を下りていく。

「じゃあ、気をつけて帰ってね」

「はい。あの、御馳走様でした」

軽く頭を下げると、高野先輩は駅に向かって歩き始めた。

良かった。
これで心配事がなくなった。
そうだ! 電話っ。

何度もかかって来ていたようで、何事なのかと気になっていた。
< 100 / 437 >

この作品をシェア

pagetop