その恋、取扱い注意!
数日後、久我さんから『美人堂』へ誘われた。
酔っぱらって正体をなくした日以来。
それほど日数は経っていないのに、ずいぶん経ってしまった気がする。

******

「いらっしゃいませ~~ぇ」

美人堂のドアを開けると、明菜さんがそそそっと、にこやかな笑みを浮かべてやってきた。

「こんばんは~ 明菜さん」

久我さんが快活に挨拶する。

「あら~ いらっしゃいませぇ。来てくれて嬉しいわぁ。どうぞ、どうぞ」

いつもの席に案内されて、ソファに腰かけた私は店内を見回す。
私の視線は奥まった席に座っている紅緒さんで止まる。

出来る女……いわゆる女社長っぽいグレーのスーツを着た女性を接客している。

私の中で、紅緒さんが相手をしている女性を女社長と位置付ける。

楽しそうに笑う女性は、やたらと紅緒さんの腕や手に触れている。
それを見てなぜだか嫌だと思う。

女社長! 紅緒さんに触らないで。

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