その恋、取扱い注意!
美里ママや明菜さんの楽しい会話で時間が経つのが早かった。
そろそろ帰ろうか、と言った時には、終電まであと15分となっていた。

「また来てねぇ~」

お会計を済ませると、私たちは駅まで走った。

タクシーに乗って帰る余裕なんてない。
なにがなんでも終電に乗らないと。

ギリギリセーフで終電に間に合い、混雑する車内で一息ついた。

ブーブーブー。ポケットの中のスマホが振動している。

取り出して見てみるとメールだった。
開いてみると、湊の文字にドキッとなる。

『今どこにいる?』

え? なにこの訳の分からないメールは……?

「電車の中」

混雑している電車の中。やっとこれだけ打つと湊へ送る。
そして、すぐに……

『ならいい。気をつけて帰るんだぞ』

う~ん。
まるで今まで私が外にいたのを知っていたかのようなメールなんだけど……もしかして、実家に来ていたのかな。
あ! お土産はどうしたのよっ。
きっと小さな自由の女神像とか、アメリカの国旗のカップとか、そんな類なんだろうけど、私はひそかに楽しみにしていた。


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