その恋、取扱い注意!
「湊の気持ちがわからないっ! 帰る」

子供っぽい行動だけど、結婚を延期しようって簡単に言う湊に腹が立ち、バッグをひったくるようにして持つと玄関に向かう。

「ミミ!」

湊が追いかけてきて、玄関で捕まる。

「ミミ、誤解すんなよ。俺はお前を愛している」

「湊のばかっ!」

湊の胸を押し返し、玄関を出た。

マンションのエントランスを出て、駅に向かう中、追いかけてきてくれなかったな、と悲しみが胸に広がる。

転勤だから結婚を延期? ばっかみたいっ!

なぜ、湊がその決断をしたのか、考えてもわからなかった。

混雑を避けようと花火大会の会場から早めに出てきた、家族連れやカップルをすり抜けるように駅に向かう。

もっとちゃんと理由を聞けばよかったと電車の中で後悔し、先ほどの会話を思い出すと涙がこみ上げてきた。

自分がどれだけ湊との結婚を楽しみにしていたかを、思い知らされた。

湊は2年間、私と会わなくていいと思ったんだよね? 私はそれだけの存在なの?

何度も途中下車して、湊のもとへ戻ろうかと思った。けれど、気持ちと裏腹に足が動いてくれない。

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