その恋、取扱い注意!
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限られた滞在日数。仕事が忙しい湊はなんとか5日間の休暇をもらい、お姉ちゃんの結婚式に参列するために帰ってきた。
日本にいられるのもあと2日。

私は『美人堂』に向かっていた。

ドアを開けると、色々な香水が入り混じったような匂いに懐かしさを覚える。

「あ! ミミちゃん!」

キララさんが気づいて小柄な身体でパタパタと近づいてきてくれる。今日の衣装は水色のふんわり膝丈ドレスにメイドさんのようなエプロンを身に着けている。

「いらっしゃいませぇ。さあさ、どうぞ~ 美里ママぁ~ ミミちゃんですよ~」

開店したばかりで、まだお客様が少ない店内にキララさんの声が響く。カウンターの中にいた美里ママがすごい勢いで近づいてくるのが見えた。

「ミミちゃーん、いらっしゃーい。寂しかったわ~」

ぎゅっと潰されるくらいに抱きしめられた私を見て、キララさんが美里ママに「なにやっているんですかぁ~」と言いながら引き離してくれる。

「湊に見られたら、殺されちゃうわね~」

笑いながらソファに座った私に、美里ママはおしぼりを差し出す。


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