君と僕の紙ヒコーキ
春色ディスティニー






5年前に卒業した高校の近くにある、隠れ家みたいな小洒落たバー。

こぢんまりとしたそのバーは、一クラス30人だった私たち、全員が入るには十分な広さだった。




久しぶり、という声が店内に響く中、私は店の一番すみに座っていた。

何度目か、ゆっくりと店の中を見まわけど、一番会いたかった人はいなかった。


少し覚悟はしていたけれど、寂しくて、ため息をついた。





「なーに、ため息ついてんのよ。」



そんな私を見て、ふらっと寄ってきて隣に座ったのは、今でもたまに遊ぶ、親友の美奈。





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