大好きなのは当たり前。愛してるのは喜ばしい。~短編~
「会いたかった」

小さくつぶやいたら、
彼が頭を撫でてきた。

頭がポカポカして、
全身に温かさが伝わった。


「俺も」

「ねぇ」

「ん?」

視線がぶつかる。
じぃっとしばらく見つめていたら、
顔が少しずつ少しずつ火照ってきた。


「また、会いたいって言っても良い?」

「良いに決まってんじゃん。付き合ってんだから」


彼のその言葉がじんわりと体に染み渡った。
そうだ、付き合ってるんだ。
『カップル』は称号じゃないもんね。

「私の事、好きなの?」

「好きなのって……」


彼はぶはっと吹いた。

「汚いよ」

私も吹いてしまった。

「お前もじゃん」

彼は、優しく笑って


「好きだよ。
 好きだから、付き合った」


そうだよ、そうでした。

私も、彼も、好きって気持ちがあったから付き合ったんでした。


私が顔をずいっと近づけたら、

彼はちょっと目をそらした。

顔が真っ赤かだ。

「ね?草食さん?」

真っ赤な顔の彼と、
同じく赤くなっているであろう私の視線が交わる。
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