この空の下で風は唄う
本当に小さい時は、みんなから、空(そら)も風(ふう)もお人形さんみたいね。
なんて言われてたけど、小学校にあがった時から、私と風には差がでていた。
勉強も、運動も風は誰よりもできた。
けど私は全然ダメで、いつも風に助けてもらってばかり。

顔も、風は段々と大人っぽくなっていって、人からはよく双子に見えないと言われた。


小学校四年生。
十歳の私は、泣き虫で自分の事を考えるので精一杯。

風に憧れるだけで、風の悲しみに気付いてあげることが、できなかった。
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