ひとつ、屋根の下で

いつまでもこの関係が続くなんて、私だって思ってない。


いつかは終わらせなくちゃいけないって分かってる。


だけど、まだ。


まだ、手放せない。


もう少しだけでいい。


もう少しだけ、このままでいたい。


「もうちょっとで、いいの……!」


諦められるまで。


好きの気持ちが消えるまで。


もう少しだけ、時間が欲しい。





……だけど。





こんな甘えた考えが通じるほど現実は優しくない。


……それを思い知ることに、そう時間はかからなかったんだ。




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