無題


それから、2日がたちました。


クラスであまり目立たない男子、向井朝来(むかいあさき)のまわりに、7、8人が集まっていました。


彼は昨日、誕生日プレゼントで親から初めての携帯をかってもらったみたいです。

携帯かぁ…
私は、中学の入学祝いでかってもらいましたよ。


『うっわー。俺、これやりたい!登録、登録。』

幸也がポケットから携帯をとりだしました。
幸也につられて、他の男子も携帯をひらきました。


『このサイト、なんていうん?』

『カフィ』

男子達は、いっせいに検索し始めた。

『あっ!そだそだ。』

『なんだよ。』

有川と仲が良かった倉海充(くらかいみつる)の大きな声で、携帯をさわっていたやつらの手がとまる。

『有川もこのサイトに登録してるんだぜ。』

『マジ?!あいつ学校にこないで、こんなんやってんのかよぉ。いつからだ??』

『うーん…1ヶ月前ぐらいっていってたよぉなぁ…』

有川は、いったいなにをしているんだ?
また心配になってきた。

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