恋の華が舞う季節
『――結衣ちゃん』


――誰?


『結衣!!』



ばっと跳ね起きる。


「……あれは……」


最初に見た人は、あの人。


でも、次に私を呼んだのは
確かに秦だった。


私はもしかして、“あの人”を、“秦”にしようとしてる?


あの時の想いを
秦にすがりつけようとしてる?



私は、最低だ……。
こんなままじゃ、駄目だ。



大丈夫。


まだ、秦とは浅い。


だから
ちゃんと、言う。


「好きじゃない」って。
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