恋の華が舞う季節
もう後悔したくないんだよ。


誰にだって、秘密はあるでしょう?


それと同じで、話せないことなの。


もう二度と、私は彼に……いや、桐山秦に隙など見せない。


絶対触れさせない。


私の想いは――私の。

触れたらいけない。
触れさせない。


きっと時期が過ぎれば、私なんか忘れてくれる。



それでいい。
それで……いいんだよ。



なのに、あの真っ直ぐに伝わる気持ちが、今でも残る。


いつか喋ってしまうんじゃないかと思うと、自分が恐くなる。
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