トビラの向こう側
「時々私にもいれてくれて飲みたいんでお願いします」


「あっ、じゃあちょっと待っててね」


美月ちゃんの態度がおかしい気がしたんだけど、とりあえず紅茶をいれる事に意識を向けた。



「わぁーやっぱり、いい香り」


「クッキーもあるから食べて」


「いただきます」


「ねぇ今日家に来たのって相談事か何か?」


「全然そういうんじゃなくて汐里さんとただ話がしたかったの」


「そうなんだ昨日、すごく真剣な顔してたからちょっと心配してたんだけど」


「そんなに私真剣な顔してました?」


それからしばらくいろいろな話で盛り上がり気がつくと夕方になってた。


美月ちゃんは電車の時間があるからと帰って行った。


彼女を見送って自分の部屋に戻ってテーブルの上の二つのカップが見えた時、何故かふと懐かしい気持になった―……


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