冷たい彼
「皇雅さん…」
涙があふれてきて湯船へと消えた。
シャンプーは結城さんの香りがした。
結城さん、香水とかつけているわけじゃないんだ。
「…切ない香り」
ふと、口から零れた言葉だった。
シトラス…爽やかで、どこか切ない。
そんな香りな気がした。
「お風呂、ありがとうございました。…あれ?麗さんは…」
「姉貴、美容に悪いからって夜更かしはしねぇんだよ」
「そうですか…」
「沙彩、寒くねぇならベランダに行かねぇか?」
「大丈夫です」
結城さんの家のベランダは広くてテーブルまである。
それにびっくりした。
「何から、話せばいいのかなぁ…」