桃色☆クローバー

失恋なんかじゃないし!

聖の顔は見れなかった。




薫子と一緒に笑ってる聖を見るのが怖かった。









幼なじみの二人。





腕を組むのが当たり前の二人。





薫子の言葉に笑顔を向ける聖なんてみたくない。












したくせに。




強引に、キス、したくせに。





聖は、遊びでキス出来ちゃうような人だったの?




本命がいても他の子とキスしちゃうの?







……………。










思い出さずにはいられなかった。




あの“部屋”での事。





余計に苦しくなるだけなのに。





頭に浮かぶ聖の顔。





心配するくせに強引で。




キスするくせに好きな子がいて。








ちょっと嬉しかったんだけどなぁ。






アタシをあの“部屋”に連れていってくれたこと。






“部屋”の存在は秘密なのかはわからないけど。





薫子が“部屋”の存在を知っているのかはわからないけど。





ううん。



知ってるよね?



きっと。







でも、





秘密なんかじゃなかったとしても、




それでも






嬉しかった。






確かなことはわからないけど、







嬉しかったんだ。







聖に

ちょっとだけ近付けた気がして。











あのとき、聖はどうゆうつもりだったのかな?






少しは…


ほんの少しは、


アタシに興味をもってくれたのかな?









「クッ…ゥゥ…」





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