ツラの皮



一方的な爆弾発言の余波でいまだ呆気にとられている女を腕の中で反転させ向かい合わせにする。




「おい。アイツはなんだ。」


「へ?えと・・・会社の後輩。」


「んなことは言われんでも分かるわ。名前を呼び捨てにするような仲なのかって聞いてんだろがっ。」


「は?だって後輩だし苗字くらい呼び捨てるでしょっ?みんなもそうだし。」


「……苗字?」


「結城浩平っての。」


「……………。」


「何でいきなり一方的に糾弾されなきゃいけないわけー?」






俺ははぁーと安堵の溜息を吐いた。



紛らわしい名前付けやがって。



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