ツラの皮




鈴は無言のままいつになく神妙な顔付きで俺を見詰めていた。


見るからにフンワリと柔らかそうな頬が赤く染まっていて、熱を持った瞳は昨日見た星に劣らない程煌いている。


だが、コレは空を飾る煌きとは違う。


本気で希えば手に入る。






もうなんもかんもすっ飛ばして掻き抱きたいという欲望を抑え、そっと顔を寄せた。



忠誠を誓うナイトのように恭しくキス――――――



……しようとして、





間近に迫った唇が「…あのね。」と小さく零した。
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