ツラの皮




分かってる。


会社で付き合わされる接待だって、ちゃんとした仕事の一つだ。


合コンならともかく、鈴に出欠席の権利があるわけでもなし。


そんなんで鈴を責めるのは筋違いだし、アイツだって困るだろう。


電話越しでも分かるぐらいアイツもガタ落ちしてたしな。


それに気付いたら俺がキレてる場合ではなく、思わず宥め役に転じていた。


自分の心情を知っているからこそ……

我ながら面の皮が厚いと思う。








途中で麻生がコンビニに車を止めた。


俺も飲み物でも買ってくか…と、勝手に買い物へ向かった麻生とは別に奥のウィンドウへ向かう。


と。




「高遠。」


「は?おい、俺まだ飲みモン…」





先に会計を終えたらしい麻生が、俺の腕を取り外へと連れ出した。



怪訝な顔をする俺に麻生が差しだしたのは飲み物―――ではなく、週刊誌。



促されるままにページを開き愕然とした。
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