ツラの皮




「ふふ…碧樹の母の翠です。」



碧樹のハハ――――て


部長のお母様!!!!




「こんなトコロで偶然お会いするなんてステキね。私はこれからお友達とお約束があるのよ。」



アナタは?と目混ぜで尋ねられて「私は部長の御使いで…」と応えた。




「あらまぁ、あの子ったら。女性を態々歩かせたりして、嫌な上司ね。」



いえ、これについては睡魔から救出して頂いて私的には有り難かったワケですけども。


いやいや、それよりも。



夫人のこの親密っぷりは如何なものなんだろう…。


私としては躊躇いしか感じない。



曖昧な笑顔しか浮かべられない私に対し、夫人は無邪気に微笑んだ。




「好きな子にはイジワルをしてしまう小学生タイプなのかしらね。でも根は優しい子だから大丈夫よ。きっと結婚したら過保護なくらい甘やかしてくれるわ。」


「………………。」









アホ部長―――――――っっ!!!





私は内心で絶叫を迸らせた。


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