ツラの皮
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『……何でオマエはそーいう肝心なコトを言わねーかな。』


「……ゴメン。」



その週は飛び込みの仕事が入ったり、他のヤツのミスの尻拭いやなんやでバタバタと忙しく、気がつけば週末。


あまりの忙しさに部長のパーティーのコト高遠に伝えるのをすっかり忘れてた。


会場に向かう道すがらメールを入れると、折り返しで電話が掛かってきた。



『例え終わりっつわれても、そーいう話にホイホイ乗んなっ!!相手はあの男だぞ!!ただでさえオマエはアホなのにっ―――』



終わりなき説教に、私はむっとした

……わけではなく、寧ろ顔がニヤケタ。




「ねぇ、アンタのそれってひょっとして…“心配”なの?」

『それ以外に何があんだよ!?』



ふふふ。

仲直りしてから、ちょっとダケ高遠が分かった。



頭ごなしに怒鳴られて以前はむっとしたけど、分かる今は少し余裕。



高遠が怒る時は嫉妬だったり心配だったり…まぁ、そんなのの裏返しなんだよね。


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