蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—
「……跡、ないんだな」
「跡って……?」
戸惑いに包み込まれながらも聞き返すと、課長が鎖骨のあたりに唇を寄せながら答える。
「松浦のつけた跡。
……まだこういう仲じゃない?」
まだもなにも、私と松浦は付き合っていない。
けど、少し前に付き合ってるのかどうかを聞かれた時、私がちゃんと答えなかったから、課長は誤解してるみたいだった。
私と松浦が付き合ってるって。
課長は……そう勘違いしてるなら、なんでこんな事をするんだろう。
恋人のいる部下に手を出すなんてリスクが高すぎるし、課長はそれを知ってるハズ。
私なんかよりもずっと頭がきれるし、回転だって速いから。
なのになんで。
私に構うの?
聞けない疑問が、またひとつ頭の中を回り出す。