蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—


なんだ。そうだったんだ。
私が何かしたのかもしれないって思ってたけど、そんなの思い違いだ。
私は何も関係なかったんだ。

課長が、恋人のためにしていた事なんだ。

なんだ。……なんだ。

溢れそうになる涙を必死に抑えて、デスクに戻る。

金曜日の夜の事は、きっと私が襲って欲しそうな顔してたから。
今まで構ってきていたのは、もしかしたらマリッジブルーみたいなものだったのかもしれない。

課長との今までの事を、頭の中で理由をつけてひとつずつ片付けていく。
納得いかない事が何一つ残らないように、全部。

でも、課長との増えた思い出は、とてもじゃないけど、今まで閉じ込めていた場所に収まりそうもなくて。

泣き出さないようにぐっと奥歯をかみしめながら、目の前の仕事に集中する事だけを考えた。

泣いちゃダメだ。
泣いちゃダメ。

近づいた分増えた想いが……胸の中で暴れ回って苦しい。





< 140 / 225 >

この作品をシェア

pagetop