蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—


「笹川専務って、あまりいい話聞かないでしょう?
ひいきがすごいとか、セクハラがすごいとか、受付まで話きてるくらいだし」
「あー……でも、そういえばよく聞くね」

笹川専務って言えば、噂に引っ張りだこな人だって私でも知ってる。
知美の言ったようにひいきがすごくて、コンプライアンス室には専務への不満が毎日送られてくるとか。

あくまでも噂でしかないけれど、ここまで悪い噂で徹底されていると、事実なのかもしれないとは思う。

「でもまぁ、部下に二股かけてた久本課長には同情できないけどね。
社内恋愛って難しそうよね。
結婚ってなるまでは内緒で付き合ってる人たちがほとんどだし」
「同じ課で上司と部下だったりすると、きちんと仕事しても変な事言われそうだしね」
「出世を狙ってる者同士とかだと、そういうのをわざとバラして相手を蹴落としたりする事もあるみたい。
まぁ、全部の社内恋愛がマイナスってわけじゃないけど」
「よほど上手くやらないと男の人は大変そうだよね」
「そうよね。仕事かまけて女漁ってたみたいに思われたら出世に響きそうだし」


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