蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—


「でも、私と優花が食事をしてるところに入ってきたのは松浦の方だし。
松浦がいるせいで優花と普通におしゃべりが楽しめないのはおかしいかと思って」
「まぁ、その通りだけどさー。
もう少し気を……」
「ほら、私は松浦と違って優花と課も違うし、こうして話せるのなんてお昼休みか仕事が終わった後だけでしょう?
そういう事情を踏まえた上でも気を使った方がよかったって言うつもり?
勝手に割り込んできた分際で」
「……いや、なんかすみません」

にっこり微笑む知美は、まさに大和撫子って言葉がぴったり。

胸の辺りまで伸びた黒髪と、すらっとした身体。
キレイで大人しそうな顔立ちだけど、その口から出る言葉は気持ちがいいほど本音のみ。

それが理由で敬遠してる男性社員は多いと思う。

「でも、最初に優花と話した時は驚いたなぁ。
正直なんてカマトトぶってる子なんだろうって思ったし」



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