蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—


なんだろう。
なんでだか嫌な予感がする。

本能がそう感じとって、仲良くない事を必死にアピールし続ける私に、先輩が言う。
目をキラキラさせながら。

「課長との飲み会セッティングしてくれない?」
「え、飲み会ですか?」
「そう。ほら、課長の歓迎会、まだ課ではできてないじゃない。だから」
「あ……でも、それだったら先輩たちから直接言ってもらった方が……」
「言ったんだけど、必要ないからって断わられちゃって」
「そうなんですか……」

まぁでも、課ではやっていないだけで、部内での大きな歓迎会はしたし……。
課長本人が必要ないって言うなら、何度もやる必要もない気もする。

……けど、先輩を前に入社二年目の私がそんな意見を口にする事ができるハズもない。

「あの、でも、必要ないって断わられているのに何度も誘うのは、課長に失礼な気も……」

なるべく先輩の気を逆なでしないように言うと、「だからね」と肩をポンって叩かれた。



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