蜜恋の行方—上司と甘い恋をもう一度—

第一、人気のある課長だったら、大学内に遊べる女の子がたくさんいたハズ。

なのに……どうして私の告白を受け入れてくれたんだろう。

「それに、付き合っていた数ヶ月、えっちはなかったんでしょ?」
「……うん。多分、私が慣れてないの知ってたから気を使ってくれてたんだと思う」
「寂しさを埋めたかっただけなら、わざわざ気を使うような相手は選ばないと思わない?」
「それはそうだけど、課長優しいから、私の告白を断れなかっただけで……」

そこまで言ったところで、知美が片手をあげて私の言葉を止めた。
そして、ふぅっとため息をついて言う。

「いいわ。ここで話していても埒が明かないもの。
とりあえず、今はお見舞い急がないとだしね」

にっこり笑った知美の笑顔が意味深に思えたけど……。

確かに今はそんな話をしている場合でもないから、頷いて課長の部屋までの道を急いだ。





< 95 / 225 >

この作品をシェア

pagetop