君が泣いた夜


「楓?」


涙を流す事も忘れて、ぽかんと私を見る穂月に微笑んで今度は唇にキスをした。


「ねぇ、知ってる?」


終わった恋を忘れるには、新しい恋が一番だって。
そう言った私を、穂月は目を見開いて見つめる。

知らなかったでしょ?
私がずっと、穂月を好きだった事。


「代わりでも良いよ」

「何言って、、、」

「でも、いつかは」


いつかは私を見てほしい。


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