きみくじ当てます


「お姫ー!」


こびと役をしばきあげていた山崎が大声で河野を呼んで手招きしている。

河野はおかしそうにくすっと笑い、


「山っちが呼んでる。柊さん、またあとでね」


そう言って山崎のところへ向かう河野を、柊はまだほやーっと見つめている。


「おい」


「………」


「おいこら」


反応しない柊の脇を肘で小突くと、柊はやっと我に返った。


「ななななに?」


「お前…女の子が好きなのか?」


「え?なんで」


「見とれてたじゃん、河野梨花に」


「そ、そりゃ見とれるよっ、学年一の美少女だよ?笑いかけられちゃったんだもん!」


「ほお」


そんなに河野は美少女なのか。


俺にはよくわからねーけども。


そういや前に王子役を決めるとき男どもが張り切ってたよな……


やっぱり一般的には美少女なんだろうな。


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