僕の気持ち 私の気持ち SS


「ねぇ。龍っちゃん……眠れないよ……」

静かに話しかけたつもりだったんだけど、龍っちゃんの目がパチッて開いた。

「あ、ゴメン……起こしちゃったよね……」

そしたら、龍っちゃんがグッと私を引き寄せる。

「亜季、こうしたら眠れる?」

眠そうな声で龍っちゃんは、私を抱き寄せる。

龍っちゃんの腕の中はあったかくて、抱きしめられた胸の中は暗くて、だから私は眠れるはずなんだけど……。

今度は、ドキドキがやまなくて――――。

ねぇ、龍っちゃん。
やっぱり眠れないよ。







   おしまい
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