蒼碧



「………」



視線の先には、スーツを着た男性が一人。


少しだけ、お兄様に似てる、なんてことを思った。


あまりにも視線が合うので、小さく会釈をして、その先の部屋に向かおうとすると



「こんばんは」


「………」



話しかけられるだなんて想像さえしていなかった私は、かけられた声に、ゆっくりと視線を上げた。
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