愛言葉
その紙を持つ手が震える。
……俺には彼女しかないのに。
どうして、どうしてこんなことするんだ。
そんなに俺が頼りなかったのか。
彼女の治療のためだったら、もう覚悟は決めていたのに。
どうして、一人で背負い込むの。
俺にも、苦しみを分けてよ。
壁に背を預けて、声にならない声を上げながら涙を堪える。
だってここで泣いたら、俺より辛い彼女はどうしたらいいんだ。
『……、戻ってきてよ。』
一緒に闘おうよ。
俺も君のためなら何だってするから。