無題




シャンノは無意識に町の方へ駆け出していた。



町が近づくにつれて町の惨状が嫌でも目についた。





小さな子どもが泣きながら母親を呼ぶ声。



焼けた肉の臭い。



崩壊する家屋が出す、軋んだ様な音



悲鳴、悲鳴、悲鳴…



混乱の不協和音が響く。





その中を、シャンノは目に涙を溜め、領主の城にむかって走った。



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