紅いピアスの眠り姫


彼女の病室に行く途中、隣を歩いていた看護師に気になったことを訊いてみた。




「あの...彼女の御家族の方はまだいらっしゃってないんですか?」



看護師は黙って立ち止まった。


「あ。すみません。
個人情報になりますよね」



僕は慌てて看護師を困らせてしまったと思い、謝った。
< 30 / 48 >

この作品をシェア

pagetop