【完】結婚させられました!?
先輩の瞳が、すごく優しくて、甘くて。
そんな先輩を見つめる澤部の視線も甘く
て、頬をほんのりと染めて。
俺の前じゃそんな女の子らしい表情、し
たこともないくせして。
はっきりと、俺は意識されてないんだっ
て事実を突きつけられて、辛かった。
そして俺的大事件が起こったのは、文化
祭も間近に迫ってきた頃のこと。
何故か、いきなり、キスシーンが付け加
えられたのだ。
思わず、取り乱してしまうくらいに動揺
してしまった。
まあ、誤魔化したけど。
フリだから、と言ったときの澤部の瞳が
、大袈裟に安堵の色を浮かべたから、も
っとムカついて。
なんでこんなにも、届かないんだ、と、
理不尽な怒りばかりが募っていく。
───文化祭、当日。
綺麗だと、思った。