【完】結婚させられました!?
俺に本音を言わせて、玉砕させるつもり
なんだろ。
……そんなの、嫌なんだよ。
「───……魔が、さしたんですよ」
ふ、と自嘲気味にそう笑って見せれば、
相変わらず真っ直ぐな眼差しが向けられ
ていて。
とても、敵わないと思った。
そんなに真っ直ぐな瞳をぶつけてこない
で欲しいと、願った。
苦しいから。
痛くて、痛くて、泣き出しそうになるか
ら。
「そんな気持ちなら、もう心優に近付く
な」
先輩はそう吐き捨てると、澤部を連れて
、俺の目の前から立ち去った。
俺に、惨めさを残して。
……キスなんてするつもりなかった。
好きになるなんて。
そんなつもりはなかったんだよ。