【完】結婚させられました!?
ふわり、揺れるポニーテール。
私の前をそれが突っ切ったその刹那、甘
い香りが鼻腔を満たした。
「北野……」
「ねえ、もう行こうよ!黒木も渡辺も、
揃ってるんだしさぁ?」
音夜君の首に腕を回して、音夜君を見上
げた女の子はすごく可愛くて。
綺麗に染められた茶色い髪の毛と、ネコ
みたいな大きな二重の瞳。
唇は思わず触れてしまいたくなるくらい
プルっとした桃色。
……だけど、なんか、ムカつく。
あからさまに私を敵視してるのがわかっ
た。
わざと視界に入れないその仕草も、私を
挑発するような、声も。
───……ムカつく謂われは、ないのに
。
「───……ごめん北野。離れて」