【完】結婚させられました!?
なんだか歩くことすらも怠くて、猫背に
なりながら、シャツをパタパタして空気
を送り込む。
ただ、生ぬるい風が送られるだけだけど
、まあ気休め程度にはなんだろ。
「音夜ーっ」
その時、後ろからそんな声がして、振り
向けば裕太が駆け寄って来ていた。
「……テンション高くねぇ?」
「だってやっとあのハゲ校長から解放さ
れたんだぜ!?有頂天にもなるよ~!」
すぐ近くにその校長が居るのもいとわず
、あっけらかんとしたようにそう言う裕
太。
悪気はないというか、天然でやってるか
ら余計にたちが悪い。
ほら見ろ。校長、頭気にして擦ってるじ
ゃんかよ。
「裕太、イジメはよくないぞ」
「え、なんかしたっけ!?」
ポン、と肩を叩いてそう言うと、裕太は
あからさまに驚いた。
カワイソーな校長先生。