【完】結婚させられました!?
笑い飛ばせるような雰囲気なんかじゃな
かったから、私も真っ直ぐ先輩を見上げ
る。
「……好きです」
その瞬間、胸の奥が、チリッと痛んだよ
うな気がした。
……そんなの、きっと気のせいだけど。
「……俺は、優しくないからね?」
「え?」
「心優が気付いてないことを、例えば俺
が気付いても。俺はそれを心優に伝える
つもりはないよ?」
先輩、一体なんの話をしているの?
先輩の瞳が、微かに、揺れる。
「心優をずっと傍に置いておけるなら、
俺はなんだってするから。……俺は、ズ
ルいから」
先輩、よくわかんないよ。
なんでそんなに苦しそうなの。