【完】結婚させられました!?
そんな私の言葉を飲み込む、先輩の声。
「言いたいことは、それだけじゃ、ない
だろ。本当はもう気付いてるんだろ?二
年前の夏から、ずっと───」
二年前の、夏。
それは私が、音夜君との約束を思い出し
た頃のこと。
「ずっと、心優の心の片隅に、ソイツが
居るってこと。……俺との距離が、離れ
ていってたって」
ねえ、どうして。
どうして私は、ここまで言われないと、
そんなことにも気付けないんだろう。
揺れてた、なんてレベルの話じゃなかっ
た。
もう、奪われてた。
私の心、全部音夜君に奪われてたんだ。
「先、輩……」